ご家庭でできる蟹のゆで方をわかりやすくご紹介します。
当記事では、基本のゆで方から、カニの種類別(毛ガニ・ ズワイガニ・タラバ蟹等)、タイプ(活カニ・ボイル 冷凍ガニ)のゆで方のポイントを解説しています。
ポイントさえ押さえれば、ご自宅でもカニの旨みを最大限に引き出せる茹で方ですので、ぜひ参考に!
【蟹】基本の茹で方
用意するもの
- 水
- 塩(3~4%)<1リットル当たり30~40g>
- カニがすっぽり入る鍋(口の広いフライパンや中華鍋でもよい)
- 輪ゴム(足を固定するため)
- 蟹を洗う
- 大きめの鍋に海水より濃い目の塩水を作り沸騰させる
- 蟹を鍋に入れて茹でる
- 蟹を氷水でしめる
各手順のポイントを詳しく見ていきましょう!
①蟹を洗う
カニなどの海産物には、腸炎ビブリオ菌と呼ばれる菌が付着している可能性があります。
この菌は、人体に入ると食中毒を引き起こす可能性も。
腸炎ビブリオ菌は、塩分のあるところにしか存在しない菌であり、真水では増殖しないので、洗うときは真水を使い、たわしを使うといいでしょう。
②水からorお湯から?塩分濃度は?
蟹をお鍋に入れると湯温が下がるので、鍋には出来るだけたっぷりとお湯を沸かすことがポイントです。
- 色つやを良くする
- 殺菌効果
- ぬめり取り
- 身を引き締める効果
塩水で蟹の身を引き締めることで、高温加熱した際の旨味成分が流れ出すのを抑えてくれます。
前述したように蟹に付着しやすい腸炎ビブリオ菌は、塩水の温度が高ければその分増殖してしまいます。
落し切れなかった菌がお湯で増殖することを防ぐためにも、必ず沸騰させた塩水でゆでましょう。
沸騰させたお湯で十分に加熱をすればほとんどの菌は死滅します。水から茹でることで加熱不足となることをふせぎます。
腸炎ビブリオ菌は、61度以上のお湯で10分以上加熱すればOK
③蟹を鍋に入れて茹でる
ゆでる時間の目安は、再び沸騰してきたら、中火にして約15分間~20分間です。
蟹の大きさや種類別のゆで時間は、『カニの種類によるゆで方のポイント』の項目をご参照ください。
表向き?裏向き?
鍋に入らない時は?
カニは切ってからゆでると、切り口からうまみ成分が出て行ってしまったり、お湯が入ってしまって味が薄くなる可能性があります。
なので、なるべくなら大き目の鍋で足を折りたたんで輪ゴムで固定し、小さくして鍋に入れることをお勧めします。
しかし、自宅にそのようなお鍋がない時には、カニの足と胴体を切り離してから茹でても大丈夫です。
その時の茹で時間は足が約5~7分、胴体が14~17分ほど茹でたら美味しく頂けますよ!
④蟹を氷水でしめる
身離れもしやすくなりますよ。
氷水でしめた後は、再度水洗いしてアクを洗い流し、お召し上がりください。
カニの種類によるゆで方のポイント
蟹の種類別の茹で方とコツをご紹介します。
調理する蟹の種類をチェックして、茹で方のポイントを押さえておきましょう。
毛ガニ
濃厚なカニ味噌を堪能したい方におすすめなのが毛ガニ!
毛ガニのゆで方のポイント
- 毛ガニを茹でるときの塩分濃度は3~4%(水1Lに対し塩約30g)
- 昆布と一緒に茹でるとおいしさが倍増
- カニ味噌が流れてしまわぬよう甲羅を下にして蟹を鍋に入れる
- かにの茹で時間
・小さめのかにで約16分~18分程度
・大きめのかにで約18分~20分程度
※途中で差し水をしてお湯の温度を下げてしまうと毛ガニが黒ずんでしまい、仕上がりがきれいな色にならないため注意してください! - 茹で上がったら鍋から出して甲羅を下にし、氷水をはったボールに移し、粗熱を取る(3分くらい)こうすると身離れが良く食べやすくなる。
- 毛ガニは身が少なめだが、カニ味噌が濃厚で美味しい。蟹味噌を堪能したいときは、ぜひ毛蟹を!
ズワイガニ
ズワイガニの身は、柔らかく海の幸の旨味が強いのが特徴です。身も味噌も楽しめます。
刺身やカニしゃぶだけではなく、カニすきをすれば良い出汁が出て鍋全体が旨味に包まれますよ。
ズワイガニの茹で方のポイント
- ズワイガニを茹でるときの塩分濃度は3~4%(水1Lに対し塩約30g)
- 塩水を沸騰させ、甲羅を下に向けていれる
- 茹で時18~20分程度。(ゆで時間が短いとカニ味噌が固まらずに流れ出てしまうことがあります。ゆですぎるとぱさぱさに!)
- 茹で上がったカニは甲羅を下にして氷水に5分程度入れましょう。
タラバ蟹
身が引き締まっていてプリプリとした食感が魅力のタラバ蟹は、身の食べごたえとボリュームが随一です。
タラバガニの茹で方のポイント
- タラバガニは水洗いの前に下処理としてかにみそを取り除いて、それから水洗いをする。
- 塩分濃度は3~4%(水1Lに対し塩約30g)
- 塩水を沸騰させ、甲羅を下に向けていれる
- 茹で時間再沸騰してから18~20分程度。
- ゆで上がり後、軽く水洗いをして、お召し上がり下さい。
タラバ蟹は、ヤドカリの仲間でほかのカニの種類と違って味噌自体がおいしくないうえに、茹でても固まらずに流れ出てしまい、紅白のきれいな身を汚してしまう可能性があります。事前に取り除いた状態の場合もありますが、味噌が入ったままであれば、かにみそを取り除いて、それから水洗いをしましょう。
ワタリガニ
蒸した方が、旨味が逃げずに美味しくいただけるのでオススメですが、蒸し器がない場合などは茹でても大丈夫!
- 活ワタリガニは活け締めをしてからゆでてください!
- 大きめのボールか鍋に水を張り、たっぷりの氷を入れた冷水にして、その中にワタリガニを15分ほど浸け、手足が完全に動かなくなった活〆の完成。
- 塩分濃度は3~4%(水1Lに対し塩約30g)の塩水を作り甲羅を下にして入れ、水から強火でゆでます。
- 沸騰したら、中火で10分程ゆで、火から下ろして湯切りをする
- 粗熱が取れたら完成
ワタリガニは熱湯にいきなり入れると暴れて手足が取れてしまいます!なので、活け締めにして水からゆがいていきます。
大きめのボールか鍋に水を張り、たっぷりの氷を入れた冷水にして、その中にワタリガニを15分ほど浸け、手足が完全に動かなくなった仮死状態の完成。
タイプ別「カニ」の茹で方のポイント
活カニ・生冷凍ガニ・ボイル 冷凍ガニの茹で方のポイントを見ていきましょう。
「活カニ」
「活カニ」とは、生きている状態のカニのこと
生きたカニを茹でると、カニが自身が危険を感じて自らの足を切り離すことがあります。
茹でるときは、前もって真水(できれば冷水)につけてカニをぐったりさせ仮死状態にすることがポイント!
沸騰したお湯の中に生きたままの蟹を甲羅を下にして入れ茹でていきます。
生きたままなので多少残酷さを覚えてしまうこともありますが、美味しく食べるためのポイントです。
お湯の熱さにカニが暴れてしまう時はふたを閉めてしばらく待ちましょう。(蓋つきのお鍋を用意することをおすすめします)
再沸騰してから20分程度茹でたらゆで上がりです。
「生冷凍ガニ」は【解凍】方法がポイント!
生の冷凍カニは、生の状態のカニを冷凍したもの。必ず解凍して、もともとの生の状態に戻してから、茹でます。
短時間で解凍することが、おいしく食べるコツです。
解凍の際に旨み成分が失われないよう、ビニール袋などで保護して水に触れないよう注意して解凍します。
流水で解凍する方法
解凍時間 30分~1時間程度
- 冷凍カニを水でさっと洗い、表面に付着している氷を溶かします。
- カニをジップ付き保存袋などに入れ、水が直接当たらないように密封。
- 密封したカニを水を入れた容器に浸し、水道水を少しづつ流しながら解凍します。
氷水で解凍する方法
- 冷凍カニを水でさっと洗い、表面に付着している氷を溶かします。
- カニをジップ付き保存袋に入れ、しっかりと密封。
- カニが浸るくらいの容器に氷水を用意し、密封したカニを全部浸す。
「ボイル 冷凍ガニ」
ボイル冷凍ガニは、一度しっかりとボイルされた冷凍カニです。
自宅で再ボイルはおすすめできません。
常温ではなく冷蔵庫で時間をかけて解凍すると、解凍する前のようにおいしくいただくことができますよ。
解凍時間 12時間~24時間
- 冷凍カニをキッチンペーパーや新聞紙などで包み、ビニール袋へ入れます。
- ビニール袋へ入れたカニをバットなどに乗せて、お腹を上に向けた状態で冷蔵庫へ入れます。
タラバガニ・・・冷蔵庫でおよそ1日~1日半:カットされた状態18時間程度
ズワイガニ・・・18時間程度:脚だけの場合は、半日ほど
【蟹の茹で方】種類別のポイント|水から?塩分濃度は?の疑問や冷凍カニの解凍方法も解説まとめ
「【蟹の茹で方】種類別のポイント|水から?塩分濃度は?の疑問や冷凍カニの解凍方法も解説まとめ」と題してご紹介してきました。
カニは、実はお魚よりも調理が簡単なうえに、特別メニューにもなるとっておきの食材です。
茹でるだけで簡単にご自宅でも美味しいカニを堪能することができますよ。
ぜひ、ゆでたてのカニを余すことなくご堪能下さい。